名無しのノート
「瑠璃香か…」
僕、谷中淳一は、屋上で一人そう呟いていた。
片瀬瑠璃香は、僕の唯一の友達だった。中学の始め、僕が瑠璃香の自殺を止めてからだ。
いつも屋上で話していた。最近は何かで忙しかったらしく、来ていなかったが、昨日突然現れた。
「久しぶり!淳一」
「よう、瑠璃香久しぶり。どうした?」
「……あのね、私、て、転校するの」
「えっ」
突然すぎる宣告だった。
「…どうして?」
「ごめん、そこは言えないんだけど、ひとつお願いがあるの、…聞いてくれる?」
いつもの上目使いも慣れた………………………いや、本当は慣れていない。あの笑顔も未だに慣れない。
「え、ああ、いいよ」
「あのね、ここに大岡里沙さんという人が来るかもだから、止めてね?」
自殺か。
「ああ、わかったよ」
「ねえ、最後に写真撮ろうか!」
「いいよ」
二人で写真を撮った。二人ともいい笑顔だった。
「…じゃあ、最後にひとついいかな」
「…何?」
瑠璃香は下を向いている…どうしたのだろうか。
屋上は、静寂に包まれた。
「…わ、私は、……淳一のことが………す、好きです」
「ええ、ああそう、…………えっ!?」
瑠璃香は屋上から出ていく。
「…じゃあね」
「ちょっと待って」
瑠璃香が振り返る、その目には、涙がいっぱいだった。
「僕も、瑠璃香のことが……好きだよ」
すると瑠璃香は最高の笑顔でこう言った。
「うん、ありがとう」
ーギィ、バタン
それが、瑠璃香と最後に交わした言葉だった。
僕、谷中淳一は、屋上で一人そう呟いていた。
片瀬瑠璃香は、僕の唯一の友達だった。中学の始め、僕が瑠璃香の自殺を止めてからだ。
いつも屋上で話していた。最近は何かで忙しかったらしく、来ていなかったが、昨日突然現れた。
「久しぶり!淳一」
「よう、瑠璃香久しぶり。どうした?」
「……あのね、私、て、転校するの」
「えっ」
突然すぎる宣告だった。
「…どうして?」
「ごめん、そこは言えないんだけど、ひとつお願いがあるの、…聞いてくれる?」
いつもの上目使いも慣れた………………………いや、本当は慣れていない。あの笑顔も未だに慣れない。
「え、ああ、いいよ」
「あのね、ここに大岡里沙さんという人が来るかもだから、止めてね?」
自殺か。
「ああ、わかったよ」
「ねえ、最後に写真撮ろうか!」
「いいよ」
二人で写真を撮った。二人ともいい笑顔だった。
「…じゃあ、最後にひとついいかな」
「…何?」
瑠璃香は下を向いている…どうしたのだろうか。
屋上は、静寂に包まれた。
「…わ、私は、……淳一のことが………す、好きです」
「ええ、ああそう、…………えっ!?」
瑠璃香は屋上から出ていく。
「…じゃあね」
「ちょっと待って」
瑠璃香が振り返る、その目には、涙がいっぱいだった。
「僕も、瑠璃香のことが……好きだよ」
すると瑠璃香は最高の笑顔でこう言った。
「うん、ありがとう」
ーギィ、バタン
それが、瑠璃香と最後に交わした言葉だった。