推定両思い
通りすがりに、目が合うはず。


ドキン……ドキン……。


ほら、目が合った。


あ、颯太の顔が真っ赤だ!!


「な、名越さん、な、何描いてるの?」


「……花壇の…花…」


初めて話しかけられた。


回りから、ひやかしの声。


「……ごじゃごじゃ、うるさいなぁ、ギャラリーは……」


ボソッと麻ちゃんが言った。


麻ちゃんの迫力に押され気味のギャラリー。


「こ、こわっ、鈴木さん……」


ギャラリーの一人が、そう呟き、足早になる。


「鈴木さんて、名越さんの彼氏みたいだね」


颯太が立ち止まり、少しはにかんで言った。


「そうだよ、麻ちゃんが男の子だったら、絶対、彼氏にするもん♪颯太君はぁ?」


「………」


颯太は黙り込んでしまった。


ギャラリーも黙ったまま。


あ、あれ?


変な事、言ったかな?


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