Memory
「月水…何ニヤニヤしてるの?」

「ニヤニヤなんかしてないもん!!」

「してたよ~」

「してないったら~」


他愛ない話が楽しくて、自然に笑えるこの日々がずっと続いてほしい…


そう思った時…


「はいはい仲いいのはいいけどHR始めるぞ~」

実は今帰りのHRの前…。

さっきまで先生に頼まれてた資料を職員室に届けていて

今教室の前で話してたのだった。

「すみません!!」

「月水ってそういうとこ抜けてるよね」

「そうだね~」

「ちょっと!!二人とも聞こえてるよ!!」


笑いながら席に着く。

そしてHRが始まった。


…にしても今日のHRはなんか長い気がする。


「あ~…来週から春の課題テストがあるから頑張れよ~」


…春の課題テスト?

「なぁに…それ?」

こっそり凜子に尋ねる。

「あぁ…、月水は転校生だから知らないか。
あのね、春の課題テストってのは、この高校の一大イベントなの」

「テストが…イベント?」

「そう。学年ごとにそのテストで一位だったクラスは賞状と生徒一人一人にプレゼントがもらえるの」



なにそれ!!!


「なんか…すごいね…」


「そうよね…まぁだから、みんなこぞって勉強していくわけよ」


なぜだろう…

すごくすごく…


やりたくない


「だから!!一緒に頑張ろうね!!」


「う…ん」



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