Memory
「あの…私、神崎菜々…龍ちゃんの妹なの」

…………。

「え!?」

妹!?

待って!!このクラスにいるってことは同い年のはず…

「私たち双子なの。龍ちゃんが酷いこと言ってごめんね?」

なんとまぁ…

妹って双子の妹ですか…。

兄と違ってちゃんとした子ですね…。

「いいのいいの!!あの、菜々ちゃんって呼んでもいい?」

「!!もちろん!!」

菜々ちゃんはぱぁっと笑顔になってあたしに飛びついた。

反動であたしはしりもちをつく。

その瞬間に頭に鋭い痛みが響いた。


…しまった

気が抜けてたから…。

どうしよう…目が回ってきた…。


「あ…ごめんなさい!大丈……月水ちゃん?」

「だ…大丈夫!ちょっとびっくりしただけ」


あたしはなんとか意識を繋げて笑ってみせる。


「ホントにごめんね!!」

「まったくあんた達兄妹はどうしてそうなのかしらねぇ?」

凜子ちゃんはあたしに手を差し出し苦笑いしてる。

「龍ちゃんと一緒にしないでよ凜子、私は龍ちゃんなんかよりずっといい子だもん!!」

「どうかしら」

二人のやり取りがおかしくてあたしは笑ってしまう。

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