眠れぬ森の美女
「は、はい、

ここまでくればもう立派な妖怪だと思います!

王様より怖いです!」

♪ゴン!

「あ、ごめん。

ぶつかってしまった。

俺あたま硬いから・・・大丈夫?」

「だ、だいじょうぶ・・・てか君、もしかして・・・」

「ちょっとまって!」

「どうしたんです?」

「いま、眠れそうになった」

「ほんとうですか!?」

「うん。なんか、うとうと、って・・・

ああ、肝試しにちょっとでも参加できたんだなあ・・・

って・・・

くー・・・」

「「やっっったー!!」」

賢者と、ライオネルと名乗った青年は、同時に叫びました。

もちろん、姫様を起こさないように声を落としてですよ。

ライオネル青年はいいました。

「大成功だったな!賢者!」

「王様だったんですねえ!あんまり若返っているから、わからなかったですよ」

そう。ライオネルと名乗った青年は、実は姫様のお父上、王様だったのです。
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