三叉路 ~three roads~
恋愛では絶対涙を見せなかった郁美が、土橋修を想って泣いている。


ヤリ捨てするような男なのに、ヨリを戻したいと言っている。


たいしてかっこよくもないのに郁美が初めて自分から気持ちを伝えた土橋修。


郁美にここまで想いを寄せられる土橋修という男はどんな奴なんだろう。


私は、土橋修がヤリ捨てしたことが許せないのはもちろんだが、郁美が奴のどこに惚れたのか単純に知りたくなった。



私は少し間を置いてから、郁美の座るブランコの前に立ちはだかり、


「とりあえず、やれるとこまでやってみる」


と、彼女の小さな肩をポンと叩いた。
< 14 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop