三叉路 ~three roads~
「ねぇ、なんであたしじゃダメだったんだろ?」


5分以上も続いていた沈黙を破ったのは、私ではなく、郁美だった。


郁美は、その丸く大きな瞳をゆっくり私に向け、泣くのを我慢しているような震えた声で話し始めた。


「電話もメールも毎日してたし、できるだけ一緒にいたし、喧嘩なんてほとんどしなかったのに……。

ねぇ桃子、なんでだと思う?」


郁美のすがるような眼差しは、なぜか私を責め立てているような気がして、思わず下を向いた。
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