三叉路 ~three roads~
「修ってホント何考えてるのかわかんない……。
いきなり“別れよう”だなんて……」
郁美は、手の中で握りしめられてグシャグシャになったハンカチを目元にあてて呟いた。
そして別れ方も今回は違っていて、今までなら必ず郁美の方から相手を振って終わる、というパターンだったのに、今回は相手から振られたと言う初めてのケースだったのである。
いつもなら、「ダサい」「話がつまんない」「何か違う」など、本当に些細な理由で郁美は相手を振ってきては、
「別れちゃった~」
と笑いながら報告して来るので、 私も話を聞くだけで済んでいたけど、郁美がこのように振られて泣くのは初めて見たので、私自身もすっかりオロオロしてしまい彼女にどんな言葉をかけようか迷うだけで、沈黙になるばかりだった。
いきなり“別れよう”だなんて……」
郁美は、手の中で握りしめられてグシャグシャになったハンカチを目元にあてて呟いた。
そして別れ方も今回は違っていて、今までなら必ず郁美の方から相手を振って終わる、というパターンだったのに、今回は相手から振られたと言う初めてのケースだったのである。
いつもなら、「ダサい」「話がつまんない」「何か違う」など、本当に些細な理由で郁美は相手を振ってきては、
「別れちゃった~」
と笑いながら報告して来るので、 私も話を聞くだけで済んでいたけど、郁美がこのように振られて泣くのは初めて見たので、私自身もすっかりオロオロしてしまい彼女にどんな言葉をかけようか迷うだけで、沈黙になるばかりだった。