わたしの意味
拾肆
ふたりで弟の前に座った。

彼女は前のときと同じように…

弟を見つめている。

そして…

弟の耳元に顔を近づけて何かささやく。


ね、なんて言ったの?

それは言えませんねー。
あえて言うなら、おまじないかな。

しばらくして弟の身体が揺れた。

布団から手が伸びてきた。

どうやら携帯を探している。

彼女は置いてあった携帯をそーっと隠す。


…お兄ちゃん、携帯は?

寝ぼけ声で弟が言う。

弟が目を覚ました!
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