わたしの意味

彼女の言った通りだ。

弟は…

おれの隣にいる彼女に目をやった。


素っぴんでも彼女がすぐにわかった様子で、弟は布団をかぶってあわてて顔を隠す。

その姿を見て…

彼女が厳しい口調で言った。


もう逃げないで!

隠れたりしないで!

わたし、嘘は一番きらい!

その嘘をあなたはついた。

それは消せない事実。

わたしの記憶からは消えない。


でもね…

あの一年間、

メールしたり電話してた時間は
わたしにとって意味あるものだった…

あれは嘘じゃなかった。
< 38 / 57 >

この作品をシェア

pagetop