人貸し屋

★零 参

★昼side



「じゃあ、最初の客は

 あの夜だったってこと?」



お茶を飲んでのんびりしている主様に

そう聞き返すと小さく頷いた



「そう考えれば・・・

 夜とはもう、5年になりますか」



長く続きましたねぇ~

と、しみじみと思い出に浸っている



「・・・ずるいなぁ」



「ずるい?

 何がずるいのです?昼」



「だって、夜は主様と

 最初から一緒にいたけど・・・

 俺は最初、孤児だったんでしょ?」



主様は俺の過去の記憶を消した

人間だけだったころの記憶は

戌にもなれる今では

体の負担になるらしいから



「そうですねぇ・・・

 昼とはまだ、1年ですもんね」



「しかも、夜は大人だし!」



夜の人間の姿は、

大人の男って感じだ



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