人貸し屋



昼は10分もしないうちに

走って帰ってきた



「・・・そんなに走って帰って来なくても

 慌てないのでよかったのですが」



「違うよ!

 変な男に追いかけられてた!」



買い物を私に預けながら

昼は言う



「同性にストーカーとは・・・

 確かに変な男ということは

 その話でわかりますね」



「どうしよう!

 ここの場所気付かれたかも!」



「大丈夫ですよ。

 次の依頼客と思えば」



そう言いながら

昼が買ってきた袋の中を覗く



そこには確かに

イチゴ大福と薄皮まんじゅうが

4つずつ入っていた



「ありがとうございます。

 さっそく頂きましょうか」



皿に出すために

台所に行こうとすると

確かに人間の気配がした



< 113 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop