人貸し屋



この女を落とすのは

俺じゃないと



「私ですか?

 人貸し屋当主、レイと申します」



「レイ?可愛い名前」



微笑んで、レイに言う

普通の奴なら好きでなくても

顔を赤くする



なのにレイは顔を赤くするどころか

涼しい顔で話を続けた



「それでアナタが貸してほしい人は

 どういう人なのですか?」



「・・・・・・は?」



「ここは人貸し屋です

 人をお貸しするためだけに

 存在しています。

 御用がないなら、どうか

 お引き取りを願いますが・・・?」



着物のレイはそのまま

屋敷の奥に入ろうとしている



「ちょっ、・・・と、待て!」



俺は慌てて声をかけた






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