人貸し屋
「・・・俺は、
もう・・・一葉を失いたくない!」
消えてしまわないように
一葉をきつく抱きしめる
「・・・むりだよ魁利。
私たちは生死と関係しながら
生きていくもの・・・
私が死んで魁利が悲しんだように
飛行機事故で死んで悲しんだ人が
たくさんいるから・・・」
深呼吸をして
また話を続ける一葉
「私だけ生きるのも
魁利が私といるのも
きっと、ダメなことなんだよ」
「・・・・・・嫌だ」
「魁利、私はあなたに愛されて
幸せだったよ?
今までありがとう」
一葉・・・
何でお前はそこまで強いんだよ
俺は、
お前が死ぬのをもう理解したくない
ずっと、傍にいたい
「・・・・・・俺も、幸せだった」