人貸し屋
膝の上に黒猫、
隣に白い戌を座らせて話す女当主
「・・・はい。
もう俺にはこの瓶はいりません。
瓶を返しに来ました」
「・・・そうですか。
お気に召すと思いましたのに」
残念そうに俺が出した瓶を
触る女当主
その瓶にはいれたはずのない水が
半分くらい入っていた
「・・・ありがとうございました。
おかげで、少しの間・・・
また一葉と話すことが出来ました」
「私も・・・少しの間、
また生きていれてうれしかったです」
「・・・そうですか。
それはよかったです。
ただ、今私が蓋を閉めると
もう二度と逢うことは
なくなってしまいますが?」
「「かまいません」」
俺と一葉、2人が声を合わせていった