人貸し屋



「・・・もめてるのか?」



だから俺が行くと言ったのに・・・

幸い、今回は主がそのまま出かけたので

屋敷は森の中ではない



俺は小さくため息をして

屋敷を出た



依頼人の家に向かうため、

人間の姿で道を歩いていく



「確かこっちのはず・・・」



曖昧な記憶の中、

主が通ったであろう道を

進んでいくと・・・



依頼人の家の近くで

しゃがんでいる主の姿が見えた



「・・・こんな所にいた」



後ろから、主に抱きつくと

主は少し驚きながらこっちを見た



「夜、来てくれたんですか」



「・・・遅いから」



「ありがとうございます。

 この子、どうしようかと思いまして」



主の後ろから何を見ていたのかと

覗き込んでみると

中学生くらいの男が倒れていた



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