人貸し屋



「・・・だれだ、これ」



「さぁ。

 車がひき逃げするのを

 目撃してしまって・・・」



また、主のお人よしが始まりそうだ



「・・・・・・どうするんだ」



「このままにしても

 傷が酷いので・・・死にますね」



主の着物に血がついてるのを見ると

助けようと、何かしらのことをしたに

違いないのだが・・・



「・・・助けるのか」



「どうせ死ぬ命なら

 私がどうしようと関係ないですよね

 夜、家に連れてきてもらえますか?」



「・・・・・・・・・あぁ」



中学生くらいの男を担いで

人けのない道を主とともに歩く



「どうしますかねぇ。

 死ぬ前にあのヤブ医者[ドクター]に

 診てもらいましょうかね・・・」



俺は主の言葉に小さく頷いた



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