人貸し屋



「やはり、そうですか」



「まぁ、傷を治しても、

 2時間ってところだな。

 お前の、《人を貸す》力で

 コイツに人の体を貸せるとしたら

 別だと思うけどな」



「そうですか。

 では、治療してもらえますか?

 私の屋敷まで運べるなら

 それで構いませんから」



そういう主に大きなため息をして

俺に近づいてくるドクター



「そいつを降ろしな。

 どうもお前の主は

 無茶するのが得意らしい」



「・・・・・・・・・」



ドクターに言われた通り

ベッドに男を降ろす



「さて、2人はあの屋敷に帰れ。

 助かれば下の奴に連れて行かせるし

 助からないなら、

 こっちで始末しといてやるから」



「ありがとうございます」



それだけ言って主は外に出た

俺もなにも言わずに主について

屋敷へと帰ることにした―。
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