人貸し屋
「上手くいきますかね・・・
仮にも私は《人貸し》ですからね」
主はオレンジの瓶から
3滴、治療された男にかけた
すると男は
顔を歪めながらうっすらと目を開けた
「大丈夫でしたね。
こうなると、自分が天才だと
勘違いしてしまいますね・・・」
小さく微笑んで、
瓶を元の場所に直す主
「こんにちは。
意識はありますか?」
まだ、正常じゃない男に
主は囁くように話す
男は、口を少し開けて、
ゆっくり話し出した
「こ、こ・・・は・・・?」
「私の屋敷です。
アナタの名まえは?」
「・・・・・・冬樹って、
院長先生は・・・言っていた」
痛みに耐えながら
男は主の質問に答える