人貸し屋
大樹と言われた男の子は
私にランドセルを返してくれた
「これは飛鳥のだ!
次飛鳥をいじめたら
先生に言いつけてやるからな」
そう言うと
今までいじめてた男の子たちが
悔しそうに帰っていった
「大丈夫?」
「あ、うん。
助けてくれてありがとう」
お礼を言うと、
その男の子は小さく笑った
「俺は飛鳥を守るために
ここに来たんだからお礼はいらないよ」
「えっ・・・?」
「瓶、開けただろ?」
私のランドセルを指さしながら
男の子、大樹君はそう言った
「・・・じゃあ、人貸し屋の?」
「そうだよ。
よろしくな、飛鳥」
そう言って笑う大樹君