人貸し屋
「あー!俺の主様!」
昼がイチゴ大福の餡を口の端に
付けながら立ち上がる
「残念でしたね・・・
でも、アナタのおかげで
飛鳥さんは少しの間、
幸せになれたと思いますよ」
「・・・そ、そうかな・・・?」
「そうですよ。
だから泣いてはいけません。
私たちは【人貸し屋】ですから」
「・・・うん」
泣き止んだ男の子を抱えて
私は夜から瓶を受け取った
「回収ありがとうございます」
「・・・・・・あぁ」
「さて、アナタは瓶の中に
おかえりなさいね」
「・・・はい」
寂しそうに返事をする男の子の頭を
優しく撫でてあげて
ゆっくりと瓶の蓋を閉めた