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ただ、変わった子であるという点は、正解だった。
条が森の姿を一瞥して、茶化すように言う。


「ほんとどんくさいよねぇ」
「あ、あの、ごめんなさ」
「てゆうかそんなエロいかっこしてるから襲われるんでしょ?」
「っ!? す、すいません……っ!」


首が埋まってしまうのではないかというほど俯いて、小さな体をさらに縮こめる。

これ以上ないというほど恥ずかしそうに目を泳がせる姿は、彼女についていえばいつものことなので、特に気にすることはない。
異常なまでの恥ずかしがり、内気であがり症で、人の顔を見るのが苦手で、うまく話せないのだ。

そんなシャイの最上級のような彼女なのだが、出で立ちだけはどう見ても積極的な肉食系だった。
丈の短いツナギの裾をさらに捲って太股を晒け出し、前のジッパーはほぼ全開、中は下着のようなチューブトップのみで、ちらちらとへそが覗いている。

コミュ障なのに見た目は派手。
そんな矛盾と激しい露出に慣れるまでに、茅野は丸三日ほどを要した。
今のところ、見たことのなかったこの世界の食べ物よりも手間取っている。


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