執事の戯言

「……あ」


本当に照れていたらしく、口を手で覆い、離れて距離を置いた。


「そりゃ、照れるよ。告白してるんだからさ。そういう篠崎さんは、恥ずかしがったりしないんだね。……やっぱり、慣れてるか」


「慣れてるって何がですか?」


「……告白とか」


悲しそうに呟く彼に、私は笑った。


「慣れてないですよ。告白されたの、先輩かま初めてですし」


そういや、驚いたけど、恥ずかしくはない。


何でだろ……?


私の言葉に、素直に驚きの顔を見せる先輩。


何か言いたそうに口を開けたとき、ドスのきいた声が聞こえた。


「何やってるんですか?」



< 31 / 63 >

この作品をシェア

pagetop