執事の戯言
02:お仕置き、されたいのですか?
【side 優】
中庭に着いたが、お嬢様の姿は見えない。
とりあえず、ベンチで話している女子生徒に話しかけた。
「あの、すみません」
声をかけると、女子生徒二人は顔を赤らめて、声を裏返しながら「はい?」と返した。
「ここでいかにも可愛らしくてあいらしくて抱き締めたくなるような一年生の子を見かけませんでしたか?」
少し言い過ぎたか?
そう思いながらも、自分のなかでのお嬢様を例えるなら、今の言葉では足りないくらいだ。
二人は顔を見合せ、片方の子が答えてくれた。
「さっき、その事で話してたんですよ!松浦君がその可愛い子の手を握って、裏庭に連れて行っちゃって」