執事の戯言
不純すぎる理由であれ、心配なことには変わりない。
一秒でも駆け付けれるよう、直ぐ様目的の裏庭へと足を向けた。
「何やってるんですか?」
日陰の中、向かい合うお嬢様とクソ餓鬼。
今すぐにでも殴りかかりたい衝動を抑え込み、問い掛けた。
確か名前は、松浦とか言ったか?
餓鬼の顔が赤いと言うことは、既に告白し終えたか……。
クソっ!
今まで彼女に告白などされないよう、俺がどれだけ手を尽くしてきたか。
いや、この事態を招いたのは、俺の不甲斐なさかもしれない。
「……優!?」
何でここにいるの?とでも言いたげな目で、俺の名前を呼ぶお嬢様。