執事の戯言
【side 璃愛】
ようやく校内放送で、生徒たちにクラスに戻るよう、放送がかかった。
私も笑顔で手を振る優に見送られながら、あの場から去り、クラスに戻ってきた。
葵衣たちが、何か聞きたそうな顔をしていたが、後でねっと言って、自分の席に座った。
担任が来るのを待つ間、クラスメイトたちは個々で話をしている。
そして私の脳裏には、さっきの出来事が浮かび上がってくる。
優のバカ、いきなり顔を近づけてきて……。
あんないつもの優じゃない、男の人の声
、聞いたことないわ。
まだ、ドキドキしてる。
かと思えば、急にいつもの執事に戻ったり。
意味が分からない。
それに。
『私も、誠心誠意、お嬢様のお側で支えさせていただきますので、よろしくお願いいたします』
あれはどういう意味なんだろ?
嫌な予感しかしないわ。