矢刺さる先に花開く


「御母君がお好きでいらっしゃったという海の話…。私も殿からお聞きしとうござります」


経子がそう言うと、重盛は微笑み、頷いた。


――数年後、長年海に慣れ親しんでいた平家が、海の戦で負けることになるとは思いもせずに。


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