矢刺さる先に花開く
入内
あれ以来、重盛からは生気が感じられなかった。
虚ろな目。
痩せ細った体。
そして、環境。
何もかもが昔と違っていた。
(殿……。如何致せば良いのでしょうか…)
それに加え、清盛の横暴な振る舞いも目立ってきた。
大輪田の泊の工事の後は長年の願いだった宋との交易を、本気で実現させようとしている。
勿論、それを良く思わず、妨害する者も多い。
それ故、その者たちの取締まりなど、他のことにも権力を駆使しているのだ。