矢刺さる先に花開く
「貴女様なら…必ずや御父君や帝のお役に立てましょう。されど、何かありましたら、いつでも私を頼って下さいね」
「義姉上様…」
微笑み会う二人。
すると――。
「――っ!?」
経子の体が大きく傾き、横に倒れたのだ。
「あ、義姉上!?」
咄嗟に支える徳子。
「だ、大事ありませんよ」
(何でしょう…急に頭がくらくらして……)
どうしてか、経子はここのところずっと、めまいに悩まされていたのだ。