矢刺さる先に花開く


その後暫くし、清盛一家は六波羅へ戻っていった。


罪人たちも捕らえられ、前までの日々が帰ってきたかと思ったら――そうではなかった。


後白河帝の乳父、信西入道が罪人たちへの死罪を、平清盛と源義朝に命じたのだ。


つまり――平忠正の首が、平清盛の手により……

(重盛さまは…)


この事を聞いた経子の気持ちは、何より先に重盛に向いた。


(どうか、どうか斬首など――!)


< 38 / 164 >

この作品をシェア

pagetop