矢刺さる先に花開く
(悪源太……!)
入るなり矢を射ってきた者を睨み付けながら、私は声を張り上げた。
「我こそは平清盛が子、左衛門佐重盛なり!」
すると、悪源太はにやりと笑うて名乗りをあげた。
「我こそは源義朝が子、鎌倉悪源太義平…四つ目の平の字は我が名にあり、平らげられるのはそなたの方だ!」
「者ども、かかれーーーっ!!」
私の号令で敵にかかる軍勢を目の端で確かめ…私と悪源太は太刀を抜いて睨み合う。