矢刺さる先に花開く
平家
罪人たちの処置も終え……永暦元年、平清盛は公卿の座に登り、参議となった。
それ故、改めて世に“平家”の名を知らしめたのだ。
無論、その祝賀も盛大に執り行われた。
公家となった平家は、装束が狩衣・十二単に変わり、全体的に煌びやかな雰囲気となった。
尤も、武士が参議となることに異を唱えるものもいたのだが……。
そんな中、先々代より平家に仕えている平家貞や、経子の父・家成の従姉妹でもある美福門院がこの世を去るなど、悲しむべきこともあったりした。
更には、時子の妹・滋子が後白河院に入御したりと……環境もどんどん変わっていった。