アメアガリ



それから何枚か写真を撮り、

先輩に呼ばれた。


「部室行くか」

「あぁ、はい」


アイカに軽く挨拶して、

あたしたちは肩を並べて歩き出した。

そして部室につく。


「どうするか、写真」

「明日現像します」

「そうか、俺もうちょい残るから」

「じゃあ、お先です」


あたしは自分のカメラを棚に置く。

そのまま靴箱に向かう。


あ、雨……


さっきまで曇っていた空から、

雨が降っていた。


傘をバサッと開く。


もう……雨いや。




ザーッという音。

流れる雫が意味してるのは、

コースケの涙に感じる。

何粒もの涙。

あたしに何かを訴えているかのような…


寂しく、悲しく、切なく、

ただあたしに伝えるためだけに…

降っているようなものだ。





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