アメアガリ



そんな錯覚を感じながら、

あたしは今も生きている。

彼を見殺しにしたあたしは、

生きる権利、意味、なんてのはないのかも。

それでも生きてる。


正直いつ死んでも構わないし、

死んだって誰も損も得もしないと思ってる。

でも、死ぬのは怖いし、

死にたくないから、生きる。

生きたいから、生きてるわけではないんだ。

なんかそう思うと、

この命を誰かに授けたい気もする……

この罪悪感から解放されたい。

その一心で生きているんだ。




次の日、

朝、雲の合間から光がさしているのを感じた。


「晴れそうだな」


天気予報は基本見ない、あたし。

傘を持たずに学校に向かった。

学校から家まで、徒歩約20分。

部活をしてないあたしは、そこまで遠い距離じゃないので歩いて登校しなければならない。


学校に着き、授業。

休み時間、授業、休み時間、授業……


繰り返しの日々を何気なく過ごし、

やっと放課後を迎える。

その瞬間、雨がポツリと降ってきた。








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