-spirit-スピリット-愛しい君へ-
あれ?この声・・・・、

誠兄さんの声に似ているような・・・。

誠兄さんとは私の姉、紗弓の婚約者の事。

まぁでも誠兄さんは実家の責務で忙しいはずだ。

こんな所にいるわけがない。

しかも担任なんて、はっ!バカバカしい。

愛歌は自分の考えを心の中で鼻で笑うと、まともに担任の顔をみずに再び窓から外を眺め始めた。

そして、しばらくして後悔することになる。

「えーと、んじゃぁはじめに出席番号順に自己紹介なぁ~」

担任がそういうのが聞こえる。

まぁいい。

自己紹介など、名前を言って、うわべだけのよろしくを言えばいいだけだ。

と、内心実は、ドキドキしている愛歌は胸の内で自分に言い聞かせた。

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