-spirit-スピリット-愛しい君へ-
「センセー、自己紹介の前に先生の名前教えてくださーい!」

ふと、いかにもチャラチャラした男が担任にいった。

すると担任は

「えー?やんないとだめなの~?」

と、きだる気に言う。

「やんないとだめですよぉ~」

と、いかにも甘ったるそうな声で言う女子がいた。

その周りの女子は、ねぇ、先生ちょっとかっこいいんだけど・・・。

などといっている。

そして最終的には、大翔様よりもかっこいいかも・・・。

という声まで聞こえてきた。

なんなんだこいつらは。

少しいい男をみればすぐにかっこいいとかなんとか・・・。

というか大翔にかなうやつなど、どこかかしこにいるものではないだろうが。

そう思って担任の方をちらっと見る愛歌。

そして見たあと0.1秒で目をそらした。

いやいやいやいやいや!

ありえん!

と愛歌は思った。

誠兄さんなわけがない!と・・・。

担任は黒板に向かって自分の名前を書いていて、

後ろ姿しか見えなかったが!

あれはあきらかに誠兄さんだった。

あはは!自分の勘違いだろ!

と、愛歌は現実から離れようとした。

が、その前に担任の方が早かった。

「俺は、神月誠(ミヅキマコト)だ!よろしく~」

担任、兼、神月誠はがいに名前を書き終わってこちらを振り向いていたのだ。

そして、愛歌は誠の名前を聞いた瞬間、これは夢ではないのか?と

机の下にある、右手の手の甲を強くひねったがこれはどうやら、現実のようだ。

と確認できると。

もう何もかもどうでもいい気分になった。
< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop