-spirit-スピリット-愛しい君へ-
-?side-
「最低!ぶつかっといてあの態度はひどくない!?ね!大翔?」

ぶつかった子が立ち去ってから周りにいるうっとうしい女子が騒ぎ始めた。

「まぁまぁ、ちゃんと謝ったんだからそれでいいじゃないか?」

そう言ってなだめると“そうだね!!”と言っておとなしくなってくれた。

それにしても、と思ってあの子が立ち去った方向を見ながら思う。

ぬりかべを利用して偶然ぶつかったようにしたけど・・・・。

あの子、霊力強すぎて、完全にぬりかべしか見えてなかったよ。

「危なっかしい子だ。僕が守ってあげないと」

そうつぶやいて、少しだけ、人には見えない程度に“椿院大翔”は笑った。
< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop