【短編】恋人は未来人
真衣は、朝まで鉄平が消えた場所にいた。
あまりにも突然で、鉄平がいなくなるなんて、信じたくなかった。
「鉄平…どこ? 本当にいないの?鉄平…。あなたが大好きだったの! なのに私は、あなたのことをわかろうともしないで、ダメ男の様に言ってしまってごめんなさい。お願い戻って来て…」
何度叫んでも鉄平からの返事はなかった。
アパートに帰ったのは、暗くなってからだ。
静まり返った部屋に戻ってなおさら悲しくなった。
「頬が痛いよ。鉄平」
ずっーと泣いたせいで頬が爛れていた。
そして、そのままベットに倒れるように寝てしまった。