【短編】恋人は未来人
□出会い
あれは、今から半年前。
恋人に裏切られ、仕事はリストラ、何もかも嫌になっていた。
生まれ変わりたい。
無邪気な子供の頃に戻りたい。
現実を受けとめることが出来なかった。
私なんか、だれからも必要とされていない。
愛されていない。
死のうと幸福岬まで一人で行った時だった。
夕日がとても綺麗だった。
それが、夜になると一変して黒く吸い込まれそうな海になっていた。
崖から海を覗き、まさに飛び込もうとした時、突然後ろから声がした。