新撰組は恋の香り―後編―
なぜか原田さんに噛みつくように言う平助君を後目に土方さんは「理解出来るようなやつなれ」そう言って出て行った。
「平助君?」
「ん?なんだよ。」
少し不機嫌だ。
可愛いなんて不意に思っちゃったのは失礼だよね。
「私もともとこういう仕事のために此処においてもらってるんだから、するのは当たり前でしょ?」
嘘は言ってないのに胸がぎゅっと締め付けられる。
ごめんね?そう言いたかった。
「本当か?」
「うん。」
「そっか…」そうつぶやく彼は、
少し寂しそうな顔をしたように見えた。