新撰組は恋の香り―後編―
みんな朝餉を食べ終わりわいわいとし出した。
その時、鬼(土方さん)が
「そろそろ屯所移さねぇとだめだな。」
と、つぶやいた。
「まじかよ。」
「まあ、そうだよな」
「どこか行き当てあるんですか?」
青い顔しながら頭を抱える永倉さんを
後目に原田さん沖田さんと続いて話し出す。
「西本願寺。なんてどうだ?」
「ぷ、なに言ってるんですか?そこは、無理でしょ?」
土方さんの有り得ない提示に
沖田さんは吹き出した。
「あの、なんで無理だと?」
「葵羽さんは知りませんよね?西本願寺は私達を嫌っていますから。」
「それと、薩摩とかの領分だしな。」
「なんか言い方正しくなくねぇか?新八」