新撰組は恋の香り―後編―

とぼとぼと部屋に戻る途中
平助くんに名前を呼ばれた。


「葵っ!」
「平助くんどーしたの?」
「ちょっといいか?」

「うん。」とよく分からないけど返事をして
部屋に招き入れた。

「汚くてごめんね?」
「いや、全然。」

学校で配られていたプリントを最近見ていたからそのプリントが机の上に散乱していた。
それをトントンっと束ねて綺麗にする。

「あ、お茶いるよね?今持ってくーー」
「いや、いらない。」
「え?あ、うん。」

一回座り直して平助くんが喋り出すのを待つ。

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