新撰組は恋の香り―後編―
*失ったもの
それはやはり
「で、早く広間に行かないんですか?」
「意外と平然だな。」
「予想してませんでしたけど、なんとなく大丈夫な気がしてきたんで。」
私、早崎葵羽は
新選組鬼の副長と呼ばれる
土方歳三といつも通りいがみ合いながら
予定変更の話を聞いていた。
「そうか。」
ほらよ、そう言ってさっきまでマジマジと見ていた携帯を投げて返される。
「大事にあつかってくださいよ!!」