新撰組は恋の香り―後編―
その声に一瞬びくっとした平助くんは
いつもの表情じゃなくて
怒っているようででも、悲しそうな表情…眼だった。
「だってよ!」
「だってよ、じゃない!!!」
「2人共、止めてください。殺しますよ?」
間に入った沖田さんは
いつもの黒い笑顔でいつの間にか
鞘から刀を抜いていた。
うお!!
私と平助くんは言い合いを止め
沖田さんに何故か“すみません。”と、謝った。
「では、葵羽さん。またの機会で。」
はあと、ため息を付いて沖田さんは
中へ戻っていった。