新撰組は恋の香り―後編―

その声に一瞬びくっとした平助くんは
いつもの表情じゃなくて
怒っているようででも、悲しそうな表情…眼だった。

「だってよ!」

「だってよ、じゃない!!!」

「2人共、止めてください。殺しますよ?」

間に入った沖田さんは
いつもの黒い笑顔でいつの間にか
鞘から刀を抜いていた。

うお!!

私と平助くんは言い合いを止め
沖田さんに何故か“すみません。”と、謝った。


「では、葵羽さん。またの機会で。」

はあと、ため息を付いて沖田さんは
中へ戻っていった。

< 50 / 69 >

この作品をシェア

pagetop