死にたがりの魔法使いくんと死神ちゃん Ⅱ




「でも、さっきまでお店に……」

「死神さんが出ていった後、少ししてから、急に私の体が大きくなって、リーダに報告しようと思った時には、もうお店にも家のどこにもいなくて…」


どうしよう、どうしようと動揺しているリタさん。

「どこかに買い物とか、散歩とかではないんですか?」

「その可能性もあるんですけど…、でもあの子最近ずっとボーッとしていて。どこか上の空な時が多くて…なんだか、心配で」


そういえば、私がいた時も少し様子がおかしかったことを思い出す。あの時は、疲れてるのかな、くらいにしか思わなかったけど、リタさんの話を聞いてると、ここ最近ずっとらしい。



「わかったわリタさん、私も探してみるから、とりあえずリタさんは家で待ってて。もしかしたら、リーダが帰ってくるかもしれないし」

「え、ええ…、ごめんなさい、死神さん。お願いします…」


今にも倒れてしまいそうなリタさんには、家で待機してもらっていた方が良さそうだ。
といっても、リーダが戻るまでは気が抜けないだろうけど…。




リタさんと別れた後、私は空からリーダを探してみることにした。

城下町を見下ろすように、町中に目を走らせる。
上から見ていると、普段より城下町にたくさんの人が集まっていることに気が付く。

おかしい。今日は特にお祭りもイベントもないはずなのに…。



少し城側の方に移動してみる。

すると、なんだか城の方もバタバタとしている様子。
兵士や使用人、様々な人が城の中だったり、外を行き来している。

何か起こったのだろうか…。




そんな城の様子を眺めていると、その中にリーダの姿を見付ける。


「……リーダ!!」



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