死にたがりの魔法使いくんと死神ちゃん Ⅱ
攻撃されているとしても、一体誰に?
城の中をあちこち走り回る。
奥に進んでいくにつれて、人の気配がなくなっていく。
そんな時、私の今いる場所から東、1つ上の階から、爆発音と共に煙が上がったのが窓から見えた。
私は窓を割り、一直線にそこに向かって飛び出した。
もくもくと空に上がっていく煙が徐々に薄くなっていくタイミングで、爆発で壊れたのであろう窓から部屋の中へと侵入する。
部屋の中を見渡してみると、そこには魔力を使い、部屋中をめちゃくちゃに破壊していくドワーフがいた。
「何をしているのっ?!」
私は声を荒げ、そいつを睨み付ける。
気が付いたドワーフは、突然現れたことに動揺もせず、いきなり魔力の塊を私に向かって、発射した。
「…きゃっ!」
間一髪の所で、地面に転がるようにそれをかわす。
私のいた場所には、ぽっかりと穴が空いている。
それを見て思わず、さぁー…と青ざめる。
ドワーフは、基本的に温厚な生き物のはず。
確かに魔力を持っているが、この下界で人間と共に普通に暮らしていた。
子供くらいの背丈で、顔は少し可愛いとは言いづらいけど、突然襲ってくるような子たちではない。
「ドワーフ!一体どうしたの!?理由もなく襲ってくるようなアナタたちではないでしょう!?」
私の声がまったく届いてないのか、続けざまに魔力の塊を発射してくる。
私はなんとかそれを回避しながら、このままではまずいと、部屋の外へ出る。
「もうほんとに何がどうなっちゃってるのよ!」
ドワーフから逃げるようにその部屋から走って離れる。
逃げた先にドワーフや、はたまたエルフがいたりなどして、出くわす度に様々な攻撃をされた。
そんな逃げ続けている間、1つ気付いたことがある。
城を襲ってきているのが、皆魔力を持つ者ばかりだということ。
最近起きている、魔力の波動とやらに何か関係があるのだろうか…。