クリスマス&お正月
「ねえ、ねえ」

沙希を睨み付けていたら、申し訳なさそうな小さい声とともに服を引っ張られる

何、と肩越しに振り向くと

小首をかしげて状況説明を求めるしるふがいた

ああ、忘れてた

一瞬だけどそう思ったような気がする

「どうしたの?」

見上げられて尋ねられる

茶色がかった瞳を見つめながら、海斗はふと嘆息した

これから巻き起こるであろう面倒事とそれを対処するために消費する体力を思って

まー、入って、としるふを伴ってリビングに入る

弘毅と亜紀の襲来はさすがに予期しなかった、と爪の甘かった自分を

少し恨めしく思いながら



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