クリスマス＆お正月

「ええっと…、思いつかないって言ったら…ダメですよね」

しばしの沈黙ののち、しるふが言いにくそうに口を開く

自己完結させて再び考え始めたしるふの隣で海斗は何も言わない

助け舟の「た」の字もない

「…黒崎先生、黒崎先生どう思います?」

思わず出た敬語に亜紀が「黒崎先生?」と首をかしげる

「俺に聞くな」

「も少し考えてくれてもいいと思うけど。…なんで、か。本当なんでだろう。気づいたら3年」

されど3年

「そうなんだよ。よく3年ももった」

自分を褒めてやりたい

そう思ったのは一度や二度ではない

「気づいたら3年経ってたもんなー」

「医局長や園田、強いては飯田からの無言の圧力」

難しい顔をし続けるしるふに、ふ、と息をついてから海斗が静かに告げる

助け舟のつもりらしい