クリスマス&お正月
「誰かさんて誰よ。私別にさびしがり屋なんかじゃないもんね」

「自覚しとくべきだと思うよ。紗雪さんだって言ってたろう?」

「いやいや、断じてさびしがり屋なんかじゃないから。もう一回言うけど違うから」

どこかテンポのずれた会話をするしるふと海斗を、

周囲は驚きと納得のない交ぜになった瞳で見つめていた

「あの…、さっきから聞いてるとさ、同じ職場なの?」

二人だけで会話を進める海斗としるふに、おずおずと亜紀が尋ねる

「ああ。これ、通称黒崎病院のマドンナ。あるいはER、救命な、の花」

きっと野花だと海斗は思っている

お世辞にも可憐な花ではない

きっと強靭で、踏みつけられてもきちんと生き続ける、

けれどもしかしたら冬の風くらいには弱いかもしれない

そんな花だと確信している

「へー、救命医なんだ。凄いね」

亜紀の感嘆交じりの言葉にしるふが笑顔で首を振る

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