クリスマス&お正月
「しるふちゃんのこと、すごく大切に想ってることがよくわかったからさ」

だから、ありがとう

そう言って沙希は嬉しそうにほほ笑む

ずっとずっと望んでいたことだった

黒崎病院を背負わなければならない海斗を、

誰よりも理解して、大切に想って、信頼して

海斗自身がそばにいることを望む人が見つかることを

沙希の言わんとしてることがわかるしるふは、小さく首を振ってから

そっと口を開く

「…お相子ですよ。私も黒崎先生には、海斗には、とても助けられてますから」

あの手が無かったらきっと今の自分はいないから

海斗と出逢わなかった人生は、きっとこんなに優しい、穏やかなものではないから

「…そっか」

そうだね、持ちつ持たれつだもんね

沙希と笑いあっていると廊下へと続くドアが開く
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